MITATEZAIKU

見立て細工展

「見立て細工」とは

日用品や野菜を材料にし、縁起物や世相に題材をとった飾り付けを、民家の玄関や店先に並べる奇祭が各地にあります。
地域によっては、「造り物」「見立て細工」「一式飾り」などと呼名は変わりますが、基本的には町内会ごとに出来栄えを競い、祭りが終わると解体してしまいます。
江戸時代に大阪で「標本」が発行されており、分布も西日本に集中していることから、陶器商人が行商の道すがら各地に伝えたのではないか、と言われています。
五穀豊穣や招福の祈りに加え、時には風刺を織り込んで、縁日を彩る造り物、見立て細工・・・たかがハリボテと言うなかれ、見立て細工に込められる意匠、結束、技術は実に見が深いものです。

安芸津町では、住吉祭が行われる時に、本町・胡町・浜町一帯の各商店が趣味をこらした「見立て細工」を店先に飾られ、1760年(宝暦10年)、寄木原保右衛門直正が人寄せのために始めたと言われています。
現在安芸津町では、自分の店で売っている商品を加工しないで何かに見える物をつくり、使った商品は解体後に販売できるというものです。